ドメインってなんでしょう

インターネット上でよく目にする「ドメイン」という言葉、いったい何のことなのでしょうか。
調べてみると「インターネット上でのコンピュータの住所」と出てきます。このコンピュータの住所は、本来はIPアドレスといって数字の羅列によって表示されているのですが、数字のみの表示だとどうしても憶えにくかったり間違いやすかったりするため、わかりやすく文字列に置き換えているのだそうです。
IPアドレスとドメインの関係は座標と住所の関係と言えるかもしれませんね。
例えば明石天文台の座標は「緯度34度39分、経度135度」で、住所は「兵庫県明石市人丸町2-6」です。どちらも同じ場所を指していますが、住所の方が具体的なイメージが伝わりやすいですよね。

yamada@〇〇〇.co.jp

メールアドレスだと、@マークの後ろの「〇〇〇.co.jp」これがドメインです。
@マークの前がそれぞれのメールアドレスの持ち主が設定した文字列となりますので、「〇〇〇.co.jp」にお住いの「yamada」さん宛にメールが届くということですね。

そしてこのドメインはWEBサイトの住所となるURLにも入ります。WEBサイトを一軒の家と考えた時、下記の例ですと「〇〇〇.co.jp」家の「about」室に訪問します、ということになります。
ドメインは「住所」でWEBサイトはそこに建った「家」、メールアドレスはそこに住む人にメールを届けるための「宛名」をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。

https://〇〇〇.co.jp/about/

ドメインはどこから来るのでしょう

では家を建てたい、自分宛てのメールを配達してほしい、となった時にドメインを手に入れるためにはどうすればいいのでしょうか。
色々なドメインを見ていると、任意の文字列の後ろに「.com」や「co.jp」など決まった文字列がくっついています。これを「トップレベルドメイン(TLD)」といいます。そして、このトップレベルドメインには種類ごとに「レジストリ」と呼ばれる管理者がいます。このTLDごとに値段や取得条件なども異なってきます。庶民的な下町だったり高級住宅街だったりする訳ですね。

それでは「.com町」にWEBサイトを作りたいとします。
.com町の町長さんであるレジストリさんにお願いすればいいでしょうか?
しかしレジストリの役目はあくまでドメインの発行と運用管理であり、ドメインの販売については「レジストラ」「リセラー」といわれる事業者が請け負っています。つまり不動産屋さんですね。
「レジストリ」は「レジストラ」と直接販売契約を結んでいる、卸業者のようなポジションです。
「レジストラは」「レジストリ」から仕入れたドメインの販売価格やオプションサービスを自由に決めることができます。
「リセラー」は「レジストラ」と販売契約を結んでいる、小売業者のような位置づけとなります。

レジストラやリセラーはそれぞれ事業者によって取り扱っているTLDが異なるため、欲しいTLDを取り扱っている事業者を探して選択しましょう。

ドメインを取得しましょう

どこの事業者からドメインを取得するか決定したら、.com町の中で自分が取得したいドメインの文字列が既に使われていないかを調べます。まったく同じ住所の家が何軒もあったら大混乱になってしまいますよね。ドメインは唯一無二でなければならないのです。つまり、自分の希望する文字列を既に他の誰かが先に使ってしまっていたら、そのドメインを取得することは出来ません。

わかりやすい単語などは人気で既に使われてしまっていることが多いです。お店を開くときに駅前の人通りの多い場所が取り合いになるのと同じですね。そんな時は少し駅から離れたり(単語にハイフンや数字などを入れて少しアレンジする)、.com町を諦めて.jp町や.org町など別の町(TDL)で探してみるという手もあります。

そうして他で使われていないドメインを決定したら、そのレジストラもしくはリセラーでドメインの発行を申請します。最終的にレジストリで審査が通り、データベースに追加されれば、晴れてその住所にWEBサイトという家を建てたりメールを配達してもらったりできるようになるのです。

なお、ドメインの登録には登録者の組織や連絡先などの情報の提出が求められます。これらの情報は何もしなければ世界に公開されてしまいますが、「Whois情報公開代行サービス」の適用によって個人情報を守ることも可能です。

ちなみにドメインは一度取得するとずっと自分のもの、という訳ではなく、言うなれば賃貸契約です。事業者の設定により決まった期間ごとに更新費用を支払って契約を更新する必要があります。
この更新をうっかり忘れると、折角選んだ唯一無二のドメインは持ち主の手を離れてしまい、他の誰でも取得できるようになってしまいますので気を付けましょう。大切な場所に他の誰かの家が建ってしまいますよ。